卒業生の言葉

卒業生の言葉 2021年度卒業生

Y.Mさん 東洋大学 文学部 哲学科 進学

「あっ、これは好きかも」と思ったものに対して、とことん突き詰めていく私の探究心は、純心の授業で培われたものだと思います。図書館を中心に行われる「探究型学習」は、私が高校を選ぶ時に魅力を感じていた授業でしたが、実際に体験してみて、いちから資料を集める大変さや集めた資料をいかに見やすくまとめるか、いかにわかりやすくプレゼンするか等々、苦戦することも多々ありました。しかし、「何かを調べ、そこから自分の意見を組み立てていく際に必要な事柄」を高校時代に学べたのは、とてもよい経験だったと感じています。学び方を学んだこの経験は、私のこれからに取って、大きな武器になると思います。
 純心では当たり前のこととして、相手に自分の思ったことを伝えられます。それは当然のことと言われたらそれまでなのかもしれませんが、入学したばかりの頃、とても驚いた記憶があります。「自分と違う人がいても、それを当たり前のように受け入れられる空間であること」……。私が思う、純心最大の魅力です。その穏やかな空間で3年間を過ごし、自然と心に余裕もできて柔軟な考え方が身につきました。
 純心でめぐり合った友人は、お互いの意見が食い違った程度で崩れる関係ではありません。純心でめぐり合った先生方も、どんな時でも根気強く向き合ってくださいます。自分の考えを受け入れてもらえたり、自分自身を尊重してもらえたり……。まるごと受け入れてもらえるこの温かさは、なかなか味わうことができない貴重な体験ではないかと思います。そのおかげで私は、今まであまり関心のなかった他者に興味が湧くようになりました。一つの物事に対し、「私はこう思うけれど、他の人はどう思うの?」となる感覚は、新鮮で楽しいものです。大学で学ぶ事柄を「哲学」に決めたのは、そんな私だからこその道だったと思っています。