卒業生の言葉

卒業生の言葉 2024年度卒業生

A. Sさん 慶応義塾大学 看護医療学部 進学


学校生活のなかで、私は勉学や生徒会活動、部活動などすべてにおいて全力をそそぎこんでいました。そこには自分の完璧主義な面が多く反映されていたのだと思います。特に勉強面では、日々の小テストや単元テストで満点をとることを目標にしていました。生徒会活動やその他の仕事などで時間に余裕がなく、授業を毎回復習することはできませんでしたが、授業のなかで生まれた疑問や理解できなかったものはその日のうちに調べたり、先生に質問するなどして、授業の内容を自分の言葉で説明できるレベルまで理解を深めました。また、生物では、先どり学習を進め、休み時間に友人と生物資料集を読んで談笑した思い出があります。お互いに生物を勉強する中で得た面白雑学を共有したり、細胞のキャラクターを作ったりと、楽しく勉強していました。自分流に、自ら進んで勉強することで、勉強に対する嫌悪感はなくなり、新しい知識を習得することがたのしみになりました。

 とはいえ、長い受験勉強の期間、ずっと勉強に対して前向きになれたわけではありませんでした。国公立受験を考えていたので、共通テストにむけて6教科を対策していました。模試を重ねるごとに、得意教科と苦手教科の点数の乖離が目立つようになり、合格判定も自分の納得できるものではありませんでした。情報という新しい教科が追加され、未知な受験問題に対する不安が大きくありました。また、11月に控えていた公募入試も並行して対策しなければならなかったので、時間にも心にも余裕はありませんでした。私の反省点として、自分の受験校に関する情報不足が挙げられます。入試対策で手いっぱいだった私は第一志望大学に絞り込んで情報収集していました。一般受験を受けることが確定した際、他大学の入試方式や入試日程、さらにはその大学の特色すら十分に理解していませんでした。そのため、勉強にさらに力を入れなければならない時期に受験校の情報収集をしなければならず大変苦労しました。逆に良かった点は、志望理由を作成するなかで、自分が大学でなにを学びどのような進路へ進みたいのかを明確にできたことです。看護学などの医療系学部を目指す人は必ずと言っていいほど、一般入試でも面接試験を経験します。面接で将来の展望や志望理由を聞かれた際、しっかりと自分の言葉で答えることができました。一般入試のみを考えている方も、一度は自分の志望理由を考える時間を取ることを強くお勧めします。

 受験結果はなかなか自分の思うようにはいかず、長い受験期間を経験しましたが、しっかり自分と向き合うことができた一年になりました。大変なことから逃げずに全力で戦ったことで精神的に強くなれた気がします。受験は個人戦です。あなたの戦いです。しかし、自分だけが戦っているわけではありません。周りのみんなもそれぞれのフィールドで戦っています。苦しさや孤独感を感じることもたくさんありましたが、それを共感してくれる友人の支えがあったからこそ乗り越えられた苦難もありました。将来に大きく関わるであろう大学受験、自分の殻を破り、全身全霊で挑んでみてください。

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