2022年度特進ターム留学体験記
H・Kさん
私はアデレードの郊外に住むホストファミリーと共に留学生活を送りました。学校は山間部にあり、私と同じ学校で働くホストマザーが毎日車で40分かけて送り迎えをしてくれました。道路の両脇には牧草地が広がり、牛や馬、羊などの家畜や道を横切るカンガルーを見ることなど、自然豊かなオーストラリアならではの体験がたくさんできました。
オーストラリアの学校では日本と違い、見た目に関する校則がなく、髪色を変えたり、メイクをしたりしている生徒が多かったことに驚きました。留学の後半でスポーツ大会があったのですが、その日は皆、本当に思い思いの服装や髪型をしていました。先生も仮装をしていて驚きました。
どんな恰好をしていても「それいいね」と褒め合い、人と違うことを恥ずかしがらず、むしろ個性として認めるという考え方にふれ、私は素敵な文化だなと感じました。
授業も日本と異なる内容のものが沢山ありました。私が選択したフォトグラフィーという授業では、実際に学校内の写真をとって編集技術を学びました。フード&ニュートリションという授業では週に1回調理実習をしました。このような授業では言葉の壁が少なく、現地の生徒と距離を縮めるきっかけにもなりました。
授業中にはどの生徒も思ったことをどんどん発言していたことが印象的で、そのような環境の中で勉強できたことはとても刺激になり良い経験になりました。
「自分の意見を言う」ことは家庭生活でも重要でした。そう強く思うようになったのはホストファミリーの言葉です。彼らは It’s up to you.「あなた次第よ」というのが口癖で、色々なことの決定権を私に持たせてくれました。
最初の頃は自分の判断に自信を持てず、答えを曖昧にしたままでいるとYes or No? と聞き返されてしまうことがありました。意見を言うことの大切さを痛感した瞬間でした。このままではいけないと思い、勇気を出して自分の意見を言ってみると、ホストファミリーは優しく受け入れてくれたので、次第に自分の意見を主張することに抵抗がなくなっていきました。
3か月間異なる環境での生活を通して、自分自身や周りを見つめ直すことができました。留学先には、あえて何も言わなくても私を理解してくれるような日本の家族や友人はもちろんいません。だからこそ、自分の気持ちを伝えることができるようになり、家族や友人とうまくコミュニケーションがとれるようになりました。留学という行動を起こしていなかったら何も変わらなかったはずです。私は留学して良かったと心から感じています。