留学体験記

2022年度特進ターム留学体験記

Y・Hさん

私が東京純心女子高校に入学するきっかけは留学ができるから、ということが大きかったです。ターム留学は、約3ヶ月という勉強にそれほど支障がない、それでも異文化を思い切り満喫できるちょうど良い期間でした。英語の授業で課題として出されていたラジオ英会話を中心に、高校1年生の初めから留学に向けた勉強をしていました。

私はアデレード郊外の学校に通っていました。珍しい動植物に囲まれた緑豊かな学校で、私は徒歩とバスで、20分ほどかけて登校していました。歩いている途中に野生のカンガルーを見かけたり、アルパカを飼っている家があったりと、最初は慣れない場所を1人で移動する不安が大きかったですが、少し余裕が出てくるととても楽しい通学路でした。

私がこの留学で一番驚いたことは、学校生活がとても自由だったことです。数学、英語、物理、歴史の主要教科以外はたくさんある授業のなかから自由に組み合わせることができました。生徒がそれぞれの時間割を持っているので、クラスやホームルームはありません。

私は保育学と音楽、家庭科を選択しました。また、生徒や先生が思い思いの髪型や服装をしていて、個性を体全体で表現していました。どの授業もとても楽しく、毎日があっという間に過ぎていきました。そのなかでも特に印象に残っているのが音楽です。

音楽では、少人数でバンドを組んで練習していました。私は以前ピアノを習っていたのでキーボードとして参加しました。音楽は世界共通、とよく言われますが本当にそのとおりで、すぐに仲良くなることができました。ここからクレッシェンドをかけよう、最後はもっと溜めたほうが良いね、などと意見を出し合ったことは私の中で大きな経験となりました。

出発前は、授業についていけるのか、友達ができるのか、など悩みがたくさんありました。しかし、積極的に発言し、どんどんクラスメイトに話しかけるとすぐに悩みはなくなり、充実した日々になりました。私は最初、完璧な英語を話さなければいけないと思っていて、話す言葉を考えている時間が長く、なかなか会話が弾みませんでした。

しかし、たどたどしい日本語でも「おはよう」と毎日声をかけてくださった先生がいらっしゃり、その先生から学んだことがあります。それは、語学力はもちろん大切だが、それよりも「コミュニケーションを積極的に取ろうとする姿勢が大切だ」ということです。

そこから、文の正確さよりも笑顔やリアクションを大きくすることを心がけ、みんなに話しかけることも楽しくなりました。帰国してしばらくたった今でもよくメッセージのやりとりをしたり電話をしたりするほど仲良くなった友達が何人もいます。

留学中、自分の英語が伝わらなくて悔しい思いをしたことも何度かありました。しかし、それが今、英語を勉強する新たなモチベーションになっています。今回のターム留学を通じて現地の生活を肌で感じ、世界の面白さを知りました。旅行では経験できない刺激的な生活は、私の中で大切な財産になりました。